2008年10月〜11月の作品
黒泥型抜模様鉢
 作者  山本  さん (女性)

半磁土を使いロクロで成形します。
高台を仕上げてから、紙を模様に切り水に付け
貼り付けます。
全体に黒泥をやや厚めに刷毛塗りし紙を外します。
素焼き後、模様の一部をトルコ青の下絵の具で
着色してから土灰釉を浸し掛けし1267度の
酸化焼成します。

(コメント)
紙で繊細な模様を切り抜くには手間が掛かります
手間をかけた分作品の完成度も良く、トルコブルー
の色合いさわやかな印象を与えてくれます。
 

作者  石井 さん (女性)

篠原土と萩土を合わせロクロ成形します。
高台仕上げの後、白泥をスプレー掛けします
花模様を針で削り、花の中心部分は淡くした
ピンクの色泥でぼかします。
素焼き後、葉に部分は灰釉の黄緑で彩色します
全体に1号石灰釉をスプレー掛けしてから
1268度の還元焼成します。

(コメント)
全体に淡く花の淡いピンク色と、篠原と萩をあわせ
た土からでる淡い土色がマッチして繊細な花を
表現しています。
色を控えた事で見ている方に何かを語りかけてくる
様なお皿に仕上がっています。

白泥?落花文皿

焼締木の葉文蓋付碗
 作者 川西 さん(女性)

信楽赤土に黄土を加えロクロ成形で本体と蓋を
作ります。
それぞれの高台仕上後、内側に白泥を刷毛塗りし
外側には白泥を筆で木の葉模様に塗、葉脈の線
を彫ります。
素焼きし、光沢の在る黄瀬戸釉を内面に掛け、外は
木の葉の部分に筆塗します。
さらに所々に織部釉を付け1265度の酸化焼成
します。

(コメント)

赤土に黄土を加えた焼き締めの地色ろと筆跡が
残った木の葉模様の対比がよく合っていて素朴で
親しみのある丼になっていると思います。


作者  中村さん(女性)

信楽白粘土に黒粘土を少し加えタタラ作りで板を
作ります。
信楽白粘土を模様に切り、さらに中に黄色の色土
をはめ込みます
タタラ板から同じ模様を切り抜き、作った模様を
はめ込み図柄を作ります。
両面を布で挟み押さえボール型に被せ足を付け
ます。
1号石灰釉を掛け1265度の酸化焼成します。

(コメント)
色合いが綺麗な練込鉢です。
収縮に気を使い手間のかかる作業ですが完成した
時の喜び充実感は嬉しいものです。

練込鉢
白釉ロー抜草文皿
 作者  坂本 さん(男性

合わせ土を使い手びねり成形します。
高台を削り形を整え乾燥させ素焼きします。
模様を鉛筆で下書きし、撥水剤で描きます。
全体に乳は乳白釉を浸し掛けし1268度の
還元焼成します。

(コメント)

作者は初めてのロー抜きで釉薬を掛けた後
模様が抜き出てくるのが珍しく楽しんで釉掛け
が出来たと思います。
還元焼成したので生地部分が締まった茶色になり
乳白釉との対比も良い感じで仕上がりました。


作者 藤田 さん(女性)

唐津中目土を使いタタラ作りで成形します。
乾燥させ高台仕上げしてから粗めの布を
被せ白泥を刷り込むように刷毛塗りします
乾燥後、布を取り黒の下絵の具で紅葉の
形を細筆で輪郭描きします。
素焼き後し織部・黄釉・火色釉で彩色し
1265度の酸化焼成します。

(コメント)
布目白泥が和風な雰囲気を出していて
描かれた紅葉の色合いの変化が単一に
ならず、見ていて清々しく感じる作品
です。
布目紅葉文皿
黒泥彩泥四方皿
 作者
  大瀬戸 さん  (女性)

赤土に黄土を加えロクロ成形します。
高台仕上げし四方形に縁をカットします。
四方の縁を紙で留め、黒泥をスプレー掛け
します。
五線譜や音符模様を鉄筆で彫り、一部は
ピンク・トルコブルーなどの色粘土を埋めます。
素焼き後白泥を象嵌し灰透明釉を薄くスプレー
掛けし1260度の酸化焼成します。
(コメント)
背景が黒地なので象嵌した色泥が鮮やかに
出ています。
五線譜と音符のデザインも可愛いです。


作者 宮長 さん(女性)

赤土を使い手びねり成形します。
高台仕上後、形を整えます。
素焼きしてから油滴天目釉を浸し掛けした後
チタンを含む藁白釉をスプレー掛けします。
1260度の酸化焼成します。

(コメント)
手びねり成形の柔らかな感じのする素直な
抹茶碗です。
油滴天目は釉薬をやや厚掛けしますが
厚く掛過ぎても駄目で釉掛けに気を使います
藁白釉を掛けるとブルーの色合いの中に
油滴の結晶が出て綺麗です・

油滴天目茶碗
鉄絵土鍋

 作者 中川 さん(女性)

土鍋土を使いロクロで本体と蓋を作ります。
本体の底を削り持ち手を付けます、蓋は
上部丸く削った後、摘み付けたします。
素焼きし、鉄で模様を描き内側は土灰釉を
掛け、外側は灰釉をスプレー掛けします。
1250度の酸化焼成します。

(コメント)

灰釉の濃淡と鉄絵の素朴な絵付けが合って
良い雰囲気の土鍋になっています。
作者はおでん鍋で作られました、きっと美味しい
でしょう。


作者 福永 さん(女性)

信楽白土を使いロクロで本体・皿を作ります。
各、高台仕上げし、カップにハンドルを付け
乾燥させ素焼きします。
白の乳濁釉を浸し掛けし1265度の酸化焼成
します。

(コメント)
ふっくらとした丸みの可愛いカップです。
この乳濁白釉は、角の色が抜け地色が
でます。
温かみがあって使いやすそうな器に仕上
がっています。

白釉カップ
透彫彩色傘立て
 作者 高嶋  さん(女性)

信楽白土を使いロクロで同形の筒を
作り重ねて成形します。
高台仕上げ後、下部に溝を彫り、上半分
には透かし彫りを入れます。
素焼きしてから全体に土灰釉を掛け
溝の部分には織部釉を、透かし部分は
織部釉・黄釉・ピンク釉・青釉をスプレー
掛けします。
1265度の酸化焼成します。

(コメント)
口作りも厚く仕上げてあって傘立てらしいです。
大きな作品なので沢山の粘土を練らなくては
出来ない作品で体力が要ります。
可愛い色合いで仕上げられて傘を入れるのが
楽しみになります。